忘れる頃になると出てくる有害輸入食品問題がまた発生した。今度は中国産肉汁濃縮液だ。少量の摂取でも心臓病を誘発するおそれがある禁止薬品クレンブトールが広範囲で検出された。肉汁濃縮液は飲食店で販売するカルビタン・ソルロンタンなどのスープや各種調味料の原料として使われ、ほとんどが中国産という。今年に入って中国産食肉加工品が103件(827トン)も輸入されているが、今回政府が検査のために差し押さえたのは331トンにすぎない。残り496トンはすでに消費されたということだ。政府は薬品が検出された製品をすべて廃棄し、輸入禁止措置を取るなど速やかに対応したことを強調した。しかしその間何も知らずに‘中国産肉汁ソルロンタン’を食べてきた国民はどうなるのか。
中国産食品の安全性が俎上に載せられたのは1、2回ではない。なのになぜまたこうしたことが起こるのか。昨年のメラミン問題当時、「今後、中国の食品に対しては輸入段階での検査を強化し、不良食品の輸入を遮断する」と話していた当局者は今どこにいるのか。食肉加工品の検疫を担当する農林水産食品部傘下の国立獣医科学検疫院側は、現実的に全数調査をするのは難しいと吐露する。中国産肉汁濃縮液の場合、今年の検疫で11件を標本調査したが、問題がなかったため流通させたという。ところが今月6日、2件からクレンブトールが検出されたことで、慌てて全量を回収して追加調査をするという騒ぎを起こした。政府は年初から、赤身の肉の比率を高めるためにこの薬品が使われるという情報を中国側から入手していたという。それなら全数調査は不可能でも、標本の比率を増やして万全を期すべきだった。