【連載】李御寧の韓国人の話<1>誕生の秘密①山火事とビショップ
山火事が発生すれば弱肉強食のジャングルの法則が崩れる。 大きな獣も小さな獣も普段の関係から抜け出し、すべて同じ方向へ生きる道を求めて突っ走る。 危機の一瞬がジャングルの平和をもたらすのだ。
生物学者らはこうも話す。 単細胞の鞭毛虫であるクラミドモナスは雄雌の区別なく細胞分裂で繁殖する。 しかし環境が変わり窒素のようなものが足りなくなれば、2つに分かれた体がまた一つになるという。 危機に対処するこうした能力のため、クラミドモナスは発生生物学や遺伝学のモデル生物としてよく利用される。 われわれは平均3年に1度ずつ難を経験してきた民族だ。 国難の山火事が発生する度にわれわれは一方向に走り、環境が厳しくなればクラミドモナスのように一つになった。 しかし官と民が、階層と分派がお互い憎悪して分裂し、国を失う失郷民になったこともある。