世界銀行と経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）が相次いで今年の経済成長見通しを引き下げた。各種指標が改善の兆しを見せておらず悲観論がより強まっているものだ。

世界銀行は先月３１日に今年の世界経済成長率をマイナス１．７％とする見通しを示した。世界銀行は昨年１１月に今年の成長見通しを０．９％としていたが、これを引き下げた。この見通しの通りだと今年の成長率はマイナスとなり、第２次世界大戦後初めてのマイナス成長となる。ＯＥＣＤも同様に加盟３０カ国の今年の経済成長を当初より４ポイントの大幅引き下げとなるマイナス４．３％に修正した。

両機関の報告書はともに先進国のうち日本の打撃が最も大きいとの見方を示した。世界銀行は日本の経済成長見通しをマイナス５．３％、ＯＥＣＤはマイナス６．６％を提示した。輸出依存度が高いだけに、世界的な景気低迷の影響を多く受けるという分析だ。ＯＥＣＤは米国も今年は４％のマイナス成長となり、来年も０％水準となるとしている。世界銀行は今年の米国の成長率はマイナス２．４％に下がり、来年には２％台を回復するとやや楽観的な見通しを示している。

開発途上国に対する見通しも一斉に引き下げられた。世界銀行は今年の開発途上国の成長率は２．１％にとどまるとした。中国は６．５％、インドが４％、ブラジルが０．５％になると予想している。前回の報告書では３％の成長が期待されていたロシアの成長率は今回の発表でマイナス４．５％と大幅に引き下げられた。世界銀行のゼーリック総裁は、「２００９年は危険な年になるだろう。失業率の問題が最も懸念される」と述べた。