だれが彼らを敗者だと言えるのか。ライバル日本との決勝戦で延長戦の末に3対5で惜しくも敗れたが、彼らは敗者ではない。日本とはこれからもいくらでも対戦の機会がある。勝敗自体よりもこの18日間に全国民に勇気と楽しさを吹き込んだという点で、われわれは韓国野球代表チームに惜しみない賛辞を贈る。終わりの見えない景気低迷、高まる一方の失業率、あちこちで発生する権力型不正とスキャンダルの中で、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)野球チームの活躍は一服の新鮮な清涼剤だった。
ドーム球場ひとつない不毛な野球環境、高校チームが55しかない薄い選手層からかき集めた代表チームが、高校チームだけで4100、ドーム球場が6つもある日本との戦いを繰り返した末に優勝と準優勝を分け合ったこと自体が奇跡に違いない。韓国が撃破したベネズエラのレギュラー選手1人の年俸は韓国代表チームの年俸総額よりも多かった。日本も代表チームの年俸総額は韓国チームの17倍だ。やはり金だけで勝敗を予測できないのがスポーツの魅力だ。特に選手団構成時の雑音をきれいに押さえつけ大会期間中に卓越した用兵術と「信頼の野球」「待ちの野球」の真髄を見せてくれた金寅植(キム・インシク)監督のリーダーシップは韓国社会の他の分野の指導者も手本にする価値があるだろう。