第２回ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）に臨む金寅植（キム・インシク）韓国代表監督（６３）と原辰徳日本代表監督（５１）はお互い異なる道を歩いてきた人物だ。

金監督はあらゆる困難を虚々実々笑いながら勝ち抜いてきた半面、原監督はエリートコースをたどりながらも苦しみを経験している。日本代表チームに‘侍ジャパン’という名前が付くと、金監督は「侍の刀を三枝槍で防ぐ」と受け返した。

◇金寅植監督、持って生まれた勝負師

金寅植は遅咲きの人だ。優れた右投げ投手だった金寅植は肩のけがに苦しみ、７２年に韓一銀行から引退した。

２６歳の年齢でユニフォームを脱いだ金寅植は７３年にベムン高校の監督になり、指導者生活を開始した。８６年にヘッテのコーチとしてプロに進出し、９０年にはサンバンウルの監督に就任した。

困難の多い野球人生を歩んできた金寅植監督は人中心の野球を具現する。負傷がある選手も、高齢の選手も、金監督は見捨てなかった。人を重視するため、自然に金監督の周囲には人が集まってくる。

金監督は９５年と０１年に斗山（トゥサン）で韓国シリーズを制し、０６年ＷＢＣでは韓国を４強に導き、‘国民監督’と呼ばれた。

金監督の野球戦略、人生哲学は柔軟だ。先頭に立って引っ張るのではなく、選手が自ら動くように導く。韓国野球が体の状態の良くない６３歳の監督にまた代表監督を要請した理由だ。


＜ＷＢＣ＞韓日監督の対決は「包容の野球ｖｓエリート野球」（２）