国際通貨基金（ＩＭＦ）が２８日、今年の世界経済成長見通しを２．２％から０．５％に大幅に引き下げた。これは第２次世界大戦以降で最も低い成長率。ＩＭＦはこの日発表した世界経済見通し修正報告書でこのように予測した。

ＩＭＦは報告書で、「各国政府が強力な政策手段を動員しているが、金融収縮が依然として残っており、実体経済も悪化している」としてデフレの危険を警告した。特に欧米など先進国の経済でより困難が大きいとの見方を示した。ＩＭＦは各国の経済見通しを、米国がマイナス１．６％、欧州がマイナス２％、英国がマイナス２．８％、日本がマイナス２．６％と、マイナス成長は避けられないとしている。先進国全体ではマイナス２％を記録すると予想した。

これに対し新興国経済は３．３％成長し、相対的に良好だと予測した。中国の６．７％、インドの５．１％が代表的だ。資源大国のブラジルが１．８％、ロシアがマイナス０．７％となり、原材料価格の下落で新興国の中では不振なほうとなった。

報告書は来年の世界経済は今年より良くなるとみている。世界経済成長率は３％となり、昨年（３．４％）水準をほぼ回復すると予想した。先進国は１．１％、新興国は５％の成長を見込んでいる。