金と白金など重金属の起源は昔から天体物理学の謎だった。 状況はこうだ。 宇宙は約140億年前のビッグバン、すなわち大爆発を通じて誕生した。 この時に作られた水素とヘリウムがかたまって星を形成し、星は内部の核融合過程を通じて徐々に重い元素を作りだした。 炭素・酸素・マグネシウム・ケイ素・硫黄・ニッケル・コバルト・鉄などだ。 この過程でますます温度が高まった星の一部は超新星として爆発し、その残骸が散在してまた別の星の材料となる。 問題は超新星ほどのエネルギーでは、金や白金など重金属を融合するのは難しいという点だ。 これに対する解答は2001年の英国天文学会学術会議で出てきた。 英国とスイスの共同研究チームが中性子星の衝突という新しい理論を提示した。 中性子星とは太陽の1.6倍程度の質量が直径30余キロにかたまった超高密度の星だ。 研究チームは、組をなす2つの中性子星がお互い衝突して爆発した後、ブラックホールをつくる過程をスーパーコンピューターで計算した。 この時、10億度の温度と莫大な密度のため鉄とニッケルの核が中性子を吸収して金と白金に変わり、宇宙に爆発の破片として散らばるということだ。 ただ、こうした現象は銀河系で10万年に一度しか起こらないという。