韓半島の北側に「朝鮮民主主義人民共和国」という社会主義政権が樹立されてから今日で60年になった。この日を迎えて北朝鮮全域では祝賀集会が盛大に開かれている。しかしこれを眺める我々の心情は錯雑し、もどかしい。北朝鮮が厳しい経済難と国際的孤立から脱する兆しが見えないからだ。1990年代中盤、数十万人の餓死者を出しても10年以上、食糧事情が解決されない。飢えにくたびれて北朝鮮を離れた住民たちが数十万人にのぼる。核脅威を通じて米国との関係改善など国際的孤立を免れてみせるというが、いつそのようになるかはわからない。それでも針がとんだレコードのように核カードをまたも駆使している。
北朝鮮政権60年を貫くキーワードは「主体」と「自主」だ。北朝鮮は50年代中盤以後、中小紛争が深刻な局面に入ると自力で南朝鮮共産革命と経済建設を推進することにした。その一環として事大主義と教条主義を排撃した。これは金日成主席の「カリスマ」と結合し、北朝鮮住民の民族的自尊心を強化させた。その結果、労働生産性もかなり増えた。57年に始まった第1次5カ年計画内の工業生産量が目標の3.5倍に達した。70年には「社会主義工業国家」になったと宣言した。韓国との経済力比も74年までは優位だった。