原油価格の高騰に飛び火しないものはない。

今度は寿司市場だ。フィナンシャルタイムズ（ＦＴ）は４日「マグロ漁船に使われる燃料の価格が急騰し、寿司市場が原油高のもう一つの犠牲になる可能性が高い」と報道した。

日本マグロ漁業協同組合（ＪａｐａｎＴｕｎａ）によると、マグロ漁船に使われる重油の価格は１キロリットル当たり、１２万円で１年間で１２倍以上高騰した。このため、日本のマグロ漁船、約３６０隻のうち、２０％ほどが７～１０月の操業中断を決定した。漁獲量もそれだけ減っている。

１２カ国あるマグロ漁獲国の操業を監督する「社団法人責任あるまぐろ漁業推進機構」（ＯＰＲＴ）の原田雄一郎専務も「原油高で世界の船の３分の１ほどが操業できない可能性がある」と話した。原田専務「融資返済のために、今すぐ費用が必要な一部の会社だけがやむを得ず、操業しているのが実情」と述べ「すでに一日の漁獲量が２０％減少した」と話した。

ミナミマグロのような高級マグロが獲れれば、原油高でも利益が出るが、このような魚は絶滅が危惧されているため、漁獲量の制限に縛られ、自由に捕獲することができない。マグロの漁獲量が寿司の値段に反映され、次第に値上がりしている。日本の高級寿司専門店の寿司の値段は昨年２５％、急騰した。東京海洋科学技術大学の濱田武士教授は「今後、マグロの寿司は富裕層だけが食べられる珍味になってしまう」と話した。