先月30日、最高検察庁中央捜査部に召喚された盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領は、捜査チームの質問攻勢に「そうだ」「違う」「記憶にない」など短い返事で防御をした。しかし盧前大統領が隙を見せた瞬間があった。検察が2007年6月、権良淑(クォン・ヤンスク)氏が朴淵次(パク・ヨンチャ)泰光実業会長から受けとった100万ドルの相当部分を米国にいた息子盧建昊(ノ・ゴンホ)氏に送った事実を知っているのか尋ねたときだった。具体的な資料も同時に提示された。盧前大統領はしばらく口をつぐんで後に座った文在寅(ムン・ジェイン)弁護士の方に頭を巡らせて相談した。100万ドルの使用先に対し「明らかにすることはできない」と言った盧前大統領は「100万ドル使用先は我々が明らかにする責任がある。家内と相談して近いうちに話す」と態度を変えた。返事も少しずつ長くなり始めた。
盧前大統領の「アキレス腱」は建昊氏だった。盧前大統領側が朴会長から受けとった600万ドルの終着駅が結局、建昊氏であると検察捜査で明らかになったのだ。100万ドルのうちの30万ドル以上が建昊氏に送金されたことがわかっている。昨年2月、朴会長が渡した投資金500万ドルは複雑な過程を経て建昊氏が設立した投資会社に流れたことが明らかになった。