米国と日本が23日から実施中の図上統合指揮訓練「キーン・エッジ(Keen Edge)」は北朝鮮と中国を‘仮想敵’と見なしていると、産経新聞が28日報じた。
今回の訓練は、日本と周辺地域で非常事態が発生した場合を想定し、自衛隊と在日米軍の迅速な対応を点検するためのものだ。 特に、今月末に予定された陸海空自衛隊の統合運用体制スタートに向け、在日米軍との連係機能強化に焦点を合わせている。
日本自衛隊は現在、陸海空別に独自運用という基本原則の下、統合幕僚会議が調整機能を持っているが、3月末からは新しく任命される統合幕僚長に指揮・命令権が集中する体制に変わる。 また、米陸軍第1軍団司令部を日本神奈川県に移転するなど米軍再編作業が完了すれば、自衛隊と在日米軍の訓練・指揮体系を統合する必要性はいっそう高まる。
東京の軍事消息筋は「米国と日本が韓半島など周辺地域の突発状況に対応した機動訓練と図上訓練を随時行っているが、今回の訓練は自衛隊統合運用と在日米軍再編にともなう新しい指揮・命令体系を点検するという意味がある」と話した。
「キーン・エッジ」の主要シナリオは▽北朝鮮の弾道ミサイル燃料注入の動きを米国が感知した場合▽東中国海(東シナ海)で中国潜水艦と偵察機活動が強化された場合▽中国と日本が領有権紛争中の無人島に中国民間人が上陸した場合--などで構成された。
北朝鮮による弾道ミサイル打ち上げの動きが確認された場合、両国は在日米軍のイージス艦と空軍機が東海(トンへ、日本名・日本海)に出動する一方、自衛隊輸送機が韓国に出動して国内の日本人を避難させるなどの対応戦略を立てている。