憲法裁判所の罷免決定が下された一週間後に瑞草洞（ソチョドン）の私邸に復帰した尹錫悦（ユン・ソクヨル）前大統領が「全部勝ってきた」と口にした事実が知らされた。

尹前大統領は１１日、ソウル瑞草洞の高級マンション「アクロビスタ」私邸に到着し、本人を待っていた入居者と支持者たちに「全部勝って帰ってきたのだから心配しないでください」と話した。

ある支持者が「とても心が痛いです」と言うと、尹前大統領は「どうせ５年でも３年でも」と笑った。

尹前大統領夫人の金建希（キム・ゴンヒ）氏も彼らに挨拶し、一人の子どもを抱き上げた後、「何歳？　６歳？」と声をかけた。

尹前大統領は同日、ソウル漢南洞（ハンナムドン）の官邸から退去しながらも支持者らと挨拶し、こぶしを握り締める姿を見せた。

また、官邸を歩いて出てきては大学生の学科ジャンパーを着て正門前で待っていた若者と抱擁したりもした。彼らは、「大統領室の要請で官邸前で尹前大統領を見送った」と明らかにし、演出したパフォーマンスという批判を浴びた。

共に民主党は「一貫した『迷惑』な姿にうんざりだ」と猛非難した。

民主党の趙承来（チョ・スンレ）首席報道官は翌日のブリーフィングで「退勤時間に漢南洞一帯を阻止し、パレードを行う迷惑行為を通じて３年間の傲慢と不通・独善をそのまま再現した」と述べた。

趙首席報道官は「あらかじめ立てておいた青年支持者を抱いて嗚咽する場面を人為的に演出したというからあきれる」として「最後まで国民を愚弄する内乱首魁の破廉恥な姿」と指摘した。

また「国民によって追い出された尹錫悦氏が成功的に任期を終えて去る大統領であるかのように、『凱旋将軍』のふりをした」として「依然として内乱が終息しなかったことを骨身にしみて感じる」と話した。

一方、ソウル中央地裁刑事合議第２５部（チ・グィヨン部長判事）は１４日午前１０時、ソウル裁判所総合庁舎第４１７号大法廷で尹前大統領の内乱頭の疑惑事件１次公判を進める。被告人は公判期日に出席義務があり、尹前大統領はこの日初公判に直接出席しなければならない。

ただし、被告人席に座っている尹前大統領の姿は写真・映像で公開されることはない。裁判所は尹前大統領の初の正式裁判に対するメディア各社の法廷内撮影申請を受け入れないことにした。不許可の理由に対する別途の説明はなかった。

また、裁判所は庁舎防護と苦情を考慮し、地下駐車場に非公開で出席できるように許し、尹前大統領が法廷に移動する姿も公開しないものとみられる。