「トイレットペーパー・卵でも戦った」…米国庶民から襲ったトランプ関税(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.04.07 10:45
庶民をより一層不安にさせる要因は関税発表を基点に米国市場全体が一斉に迷走している点だ。
当初、トランプ大統領は関税で10年間で6兆ドル(約873兆円)の税収をあげることができるだろうと大見得を切ったが、2日の相互関税発表以降、わずか2日間でニューヨーク株式市場の時価総額は6兆6000億ドル減った。特に米国の経済の「体力」と呼んできたアップル(Apple)、エヌビディア(NVIDIA)、テスラ(Tesla)など技術企業7社の時価総額だけで1兆8000億ドルが蒸発した。
これを受けて米国最大の銀行JPモルガン・チェースはこの日、今年米国の経済成長見通しを1.6%ポイント低くした-0.3%に調整した。当初1.3%成長するという展望がトランプ大統領の関税政策であっという間にマイナス成長に戻ったということだ。JPモルガンは特に「トランプ発関税」によって世界が沈滞に陥る確率が従来の40%から60%に急激に高まったと分析した。
拡大した不安は大規模な群衆デモにつながった。この日一日、トランプ大統領とイーロン・マスク氏に反対するデモが米国50州全体と世界の主要都市で同時多発的に起きた。米国内だけで60万人以上が参加登録をし、至るところに「手を引け(Hands Off)」というスローガンが掲げられた。
それにもかかわらず相互関税発表直後の3日、フロリダのゴルフ場で直行したトランプ大統領は、この日自身のソーシャルメディア(SNS)トゥルース・ソーシャルに「これ(関税)は経済革命であり、我々は勝利する」としながら「我慢強く耐えろ。容易ではないが最終結果は歴史に残るだろう」と記した。ただし、雰囲気が尋常ではない方向に向かうと、フロリダに向かう機内の会見で「マスク氏も離れなければならない時点が来るだろう」としながらマスク氏との決別の可能性も示唆した状態だ。
それでもただ「耐えろ」というトランプ大統領に対する世論は急激に悪化している。WSJの4日の世論調査で、トランプ大統領の支持率は46%で1月と大きな違いはみられなかったが、関税政策に対する反対は54%であることが分かった。これは1月(48%)に比べて大幅に高くなった数値で、特に回答者の4分の3は関税のせいで日常品の物価が上昇すると懸念した。
来年中間選挙を控えて世論の変化に敏感にならざるをえない共和党は内紛に包まれる兆しが見え隠れしている。テッド・クルーズ上院議員(テキサス)はこの日、フィナンシャル・タイムズ(FT)に対して「米国が景気低迷を強いられ、国民が大きな苦痛を味わうなら、有権者は与党を処罰する」としながら「特に深刻な不況が今年の場合、中間選挙は大惨事になる可能性が高い」と主張した。
アイオワ州立大学のステファン・シュミット教授は「昨年トランプ氏が当選した原動力はバイデン氏の物価政策に失望した労働者と少数人種の投票者の心が相当部分流入したため」としながら「もしインフレ懸念などと関連した現在の世論の流れを変えることができない場合、トランプ大統領も物価のせいでバイデン前大統領と同じ攻撃を受ける立場になる可能性を排除するのは難しい」と指摘した。
「トイレットペーパー・卵でも戦った」…米国庶民から襲ったトランプ関税(1)