「山火事を消すとまた広がる」60代の鎮火隊員3人が事故=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.24 07:00
「山の下から火が移ると、あっという間に竜巻のように背後を襲い、私たち5人は地面のへこんだ水たまりの中で抱き合って20分間炎に耐えました」
今月21日、慶尚南道山清郡矢川面(キョンサンナムド・サンチョングン・シチョンミョン)で発生した山火事の現場に22日に投入され、全身3度のやけどを負い、劇的に回復した鎮火隊員のクァクさん(63)は、腫れた唇で火災の状況を伝えた。
クァクさんを含む5人は重傷を負って救助されたが、同じ位置に投入された鎮火隊員3人(全員60代)と公務員のカンさん(33)は火魔を避けることができず死亡した。
23日、晋州(チンジュ)所在のある病院で会ったクァクさんは「22日正午ごろ、山清郡矢川面新安里の4合目で火を消していた」とし「火が広がるのが見えて急いで下山したが、午後1時半ごろ消防と昌寧郡(チャンニョングン)に救助を要請した。だが、30分以上ヘリが来なかった」と話した。その後、火が襲い、20分間火魔に耐えた生存者5人は火傷を負った体でかろうじて山の下まで降りてきた。
中央災難安全対策本部によると、慶尚南道山清をはじめ、慶尚北道義城(キョンサンブクト・ウィソン)、蔚山市蔚州(ウルサンシ・ウルジュ)、慶尚南道金海(キムへ)、忠清北道沃川(チュンチョンブクト・オクチョン)で同時多発的に発生した山火事で4人が死亡し、6人が負傷した。
今回の山火事で23日午後9時基準で山林約7772ヘクタール(サッカー場1万885固に当たる)が燃え、住宅110棟が被害を受けた。臨時避難住民は計1988人だ。鎮火率は山清71%、金海96%、義城60%、蔚州72%だ。沃川は完全に鎮火した。山清の火災は3日間火を消すことができず、近くの河東郡(ハドングン)に広がった。
山林庁中央事故収拾本部は地方自治体・消防・警察・軍・国立公園など利用可能な消火ヘリ111機と人員8819人を投入して鎮火しているが、全国に同時多発的に山火事が発生し、装備と人員不足で鎮火に困難を来たしている。
行政安全部は蔚山広域市、慶尚北道、慶尚南道を対象に災難事態を、被害が大きい山清を特別災難地域にそれぞれ宣言した。大型山火事によって特別災難地域が宣言されたのは歴代6番目だ。
災難事態が宣言された3市・道に災難安全特別交付税26億ウォン(約2億6500万円)を緊急支援し、山清郡には緊急救護を後押しするための災難救護事業費を執行する計画だ。崔相穆(チェ・サンモク)大統領権限代行は「山火事の対応で何より重要なのはさらなる人命被害が発生しないこと」とし「義城、蔚州など迅速な被害収拾が必要な大型山火事発生地域に対して特別災難地域の追加宣言を検討してほしい」と指示した。