「粘り強いサムスン」と「編集狂インテル」に誰が先に到達するのか。二大半導体巨頭のサムスン電子とインテルが並んで危機宣言と対応に着手し、誰がより速く果敢に「死即生（死ぬ気になって生き残る）」するかの戦いが始まった。サムスン電子はエヌビディア・カンファレンス（ＧＴＣ）にメモリーの領域を広げ、営業総力戦に乗り出した。

◇「編集狂インテル」のために大量人員削減を予告

１７日、ロイター通信によると、インテルのリップブー・タン新ＣＥＯ（最高経営者）は先週、社内の職員を対象にしたタウンホール・ミーティングで「会社は厳しい決定を下さなければならない」とし、中間管理職の大量減員を予告した。タン理事は昨年上半期にインテル理事を担い、会社を診断した後「『編集狂』精神が消えた」と評した。これはインテルの伝説アンディ・グローブ元ＣＥＯ（１９８７～１９９８）が強調した、現在の成功に満足せず常に覚醒している精神だ。インテルの肥大した人材と遅い意思決定に手を加えるべきだというタン理事の建議は当時拒絶されたが、崖っぷちに追い込まれたインテル理事会が７カ月ぶりにタン氏をＣＥＯに迎え、インテルは構造改革を避けられなくなった。

◇「粘り強いサムスン」、ＧＴＣでメモリー市場拡大へ

サムスン電子は１７～２１日（現地時間）、米国サンノゼで開かれるエヌビディア技術カンファレンス（ＧＴＣ）でグラフィック・ダブル・データ・レート第７世代（ＧＤＤＲ７）セッションを開く。先端メモリーのＧＤＤＲ７は消費者用グラフィック処理装置（ＧＰＵ）に使われるが、エヌビディアが１月に発表した新製品ＲＴＸ５０のＧＤＤＲ７主供給会社がサムスン電子だ。今回のＧＴＣでジェンスン・ファンＣＥＯが「プロシューマー（消費者＋専門家）」級に性能を高めたＲＴＸ新製品を公開する見通しで、すでに業界にはＧＤＤＲ７を搭載した製品仕様に関する噂が流れている。

これに対し、サムスン電子はキム・インドン・メモリー事業部ＤＲＡＭ担当常務がＧＴＣ期間中に顧客会社経営陣対象のＧＤＤＲ７オーダーメードセッションを開く。「エヌビディアのＧＤＤＲ７パートナー」のサムスンメモリーを浮き彫りにするのだ。サムスン電子は昨年、ＧＴＣでもセッションを開いたが、エヌビディアの技術をサムスン半導体工程に適用した「顧客会社」としてだった。今回は供給会社の立場で、完全に営業を展開するわけだ。

サムスン電子のチョン・ソンテ・フェローは、今回のＧＴＣでサムスンの光学近接補正（ＯＰＣ）技術を発表する。ＯＰＣは半導体パターンの精度を補正する工程で、ＡＳＭＬの極紫外線（ＥＵＶ）露光装備と共に使われ、先端ファウンドリー・メモリーの歩留まりに影響を及ぼす。サムスンはインテルフォト工程の最高専門家だったチョン・ソンテ博士を２０２３年に静かに迎え入れた。

最近、サムスン電子の役員たちにはセミナーで「死即生の覚悟で行動しなければならない」という李在鎔（イ・ジェヨン）会長のメッセージと「粘り強いサムスン人」のクリスタル牌が伝達された。李在鎔会長は「全分野で技術競争力が毀損された」と診断し、「経営陣よりさらに立派な特級人材をお招きしろ」と求めた。

◇サムスンとインテル、どちらが先に屈辱を晴らすか

半導体設計と生産をすべて行う総合半導体会社（ＩＤＭ）のサムスンとインテルは、台湾ＴＳＭＣを中心としたグローバル半導体分業化の流れの中で技術の主導権を失った。サムスンはフラッグシップ・スマートフォン「ギャラクシーＳ２５」の頭脳のアプリケーション・プロセッサー（ＡＰ）を、インテルはルナーレイクなど人工知能（ＡＩ）ＰＣ用の最新チップをＴＳＭＣファウンドリーで製造する屈辱を味わっている。

ＩＤＭの相乗効果を出すためには設計・ファウンドリー・機器など事業部が緊密に協力しなければならないが、これは個別事業部の権限を越える。インテルが「半導体大物」としてＣＥＯを交替した状況で、サムスンの「コントロールタワー再建」があるかどうか注目される理由だ。

◇ＳＫハイニックス、クァク・ノジョン代表がＧＴＣ出席

今回のＧＴＣでジェンスン・ファンＣＥＯは新型ＡＩ加速器ブラックウェルウルトラ（Ｂ３００）を発表し、自社システムがＡＩ推論にどれほど適しているかを強調する見通しだ。１月、中国ディープシークが高効率推論用ＡＩモデルを発表した後、「今後ＧＰＵの需要が減るのではないか」という懸念からエヌビディアの株価は弱気だ。しかし、ジェンスン・ファンＣＥＯはその前から「ＡＩは推論市場の方が大きい」と強調してきた。

ＳＫハイニックスはクァク・ノジョン代表が直接ＧＴＣに参加し、エヌビディアと密な協力を誇示し、開発中のＨＢＭ４１２段模型を展示する。