「ネクスト半導体」韓国バッテリー、欧州でも中国に1位奪われる(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.19 11:47
最近欧州最大のバッテリー企業ノースボルトがスウェーデンで破産を申し立てた影響で韓中競争はさらに激化する見通しだ。EUのバッテリー自給自足計画が事実上失敗に終わったことで、韓中の企業がその穴を狙っている。現在ノースボルトのシェアはわずかだが、同社に投資したドイツのフォルクスワーゲンやBMWなどは代案を探さなければならない。ノースボルトの破産はバッテリー製造業に新規参入するのがどれだけ難しいかを見せる事例で、韓中2強の構造が固定化される可能性が大きい。
専門家らは韓国のバッテリー企業が技術力で中国を必ず超えなければならないと話す。対外経済政策研究院のチェ・ジェヒ専門研究員は「中国が欧州に工場を作り歩留まりを改善する間に韓国はLFPやミドルニッケルのような中低価格バッテリー開発と量産にスピードを出さなければならないだろう」と助言する。ミドルニッケルは三元系バッテリーのうちニッケル含有量を50~70%に減らし、ハイニッケルと比較して価格が安い。
韓国バッテリー3社は欧州での生産を強化して中国とさらに激しく競争する予定だ。サムスンSDIは有償増資で調達する資金のうち6413億ウォン(約660億円)をハンガリー工場の角形バッテリー生産能力拡大、LFPバッテリーライン投資に使う計画だ。LGエナジーソリューションはルノーグループのアンペアに供給するLFPバッテリーをポーランド工場で生産し、SKオンは昨年ハンガリーのイバンチャに欧州で3番目の工場を設立して域内生産能力をこれまでの17.5ギガワット時から2.5倍以上に拡大した。
業界は韓国バッテリー3社がいずれも欧州工場を安定的に運営しており、先取り効果を得られると期待する。中国のバッテリー企業が中国工場で生産するのは政府の強力な支援と供給網管理などを基に競争力があるが、欧州での生産は異なるかもしれないからだ。
韓国産業技術企画評価院のイ・ジョンドゥ二次電池PDは「中国企業は海外生産経験が少ないだけに韓国が現地工場先取り効果を得られるだろう。ノースボルトの工場活用案などもそろばんを弾いてみる必要がある」と話した。ただ中国企業が欧州工場で歩留まりを引き上げるのは時間の問題と懸念する見方もある。
バッテリー業界は競争力を育てるゴールデンタイムを逃さないために「韓国版インフレ抑制法」と呼ばれる租税特例制限法改正案など政府支援策が必要だと強調する。国家戦略技術に対する投資税額控除を直接現金還付や第三者譲渡方式で補完し、赤字が続くバッテリー企業も恩恵を得られるようにしようという主張だ。業界関係者は「改正案が遡及適用されれば技術力向上に向けた研究開発投資などにつながるだろう」と話した。
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