韓国政府、シリアとの修交に暫定合意…国連全加盟国と外交関係
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.12 11:27
韓国政府が国連加盟193カ国のうち唯一の未修交国だったシリアとの修交に暫定合意した。韓国がシリアと公式的に修交する場合、北朝鮮を除いた191カ国の国連加盟国すべてと外交関係を樹立することになる。韓国が北朝鮮の兄弟国キューバに続いて北朝鮮の友邦のシリアとも国交を正常化することになれば、北朝鮮の外交的孤立はさらに深刻になる見込みだ。
韓国外交部は11日、「政府はシリアと修交を推進するという基本方針の下、関連手続きを推進中」と明らかにした。近く国務会議に修交案を上程して議決した後、公式的な手続きを踏む予定だ。
韓国とシリアの修交に関する議論が進展したのは、シリアを24年間にわたり鉄拳統治してきたバッシャール・アル・アサド政権が崩壊したのがきっかけだ。シリア過渡政府のシャラア暫定大統領は昨年12月、イスラム武装組織ハヤト・タハリール・アル・シャーム(HTS)を率いてアサド独裁政権を崩壊させた。そして過渡政府に入ってからわずか3カ月余りで両国が修交暫定合意に至った。
これに先立ち韓国外交部の金垠廷(キム・ウンジョン)アフリカ中東局長は先月5-7日、シリアのダマスカスを訪問し、シリア過渡政府のシャイバーニー暫定外相と会談した。当時、シリア側は積極的に修交の意思を表したと、外交部当局者は伝えた。
実際、国際社会から合法政府として認められることを望む過渡政府は、アサド政権が緊密な関係を結んだ北朝鮮やロシアなどとの関係は最小化する方針という。シリア側は特にエネルギー・通信・インフラ・教育・保健の5分野での協力を期待したという。
今回の修交暫定合意は韓国の外交的地平をさらに広げると同時に、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾案可決による権限代行体制でも迅速に重要外交事案を推進して成果を出したという意味がある。
これには北朝鮮に対する外交的圧力を強化する側面もあるとみられる。北朝鮮とシリアは1966年の修交以降、大量破壊兵器(WMD)開発に関連して不法な協力をし、軍事的密着を続けてきた。国外に脱出したアサド大統領は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と数年間にわたり書信を交わしながら友好的な関係を維持した。
韓国とシリアが修交する場合、北朝鮮には少なからず衝撃になるいう見方もそのために出てくる。北朝鮮は韓国とキューバが極秘裏に修交した昨年2月にも国営メディアの報道でキューバへの言及を意図的に減らすなど不満を表した。