米M7の時価総額1日で7740億ドル蒸発…「景気低迷の確率30%から40%に」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.12 06:47
米国の景気低迷の懸念が本格化し世界の資産市場が悲鳴を上げた。トランプ米大統領の関税政策に対する不安感が大きくなり、米国経済だけが好況を享受するという「米国例外主義」も揺れている。
10日のニューヨーク証券取引所でナスダック総合指数は前営業日より4%下落した1万7468.33を記録した。2022年9月13日の5.16%安から2年6カ月ぶりの下げ幅だ。ダウ平均が2.08%、S&P500が2.7%落ちた。ハイテク株中心に下落幅が大きく、マイクロソフト、エヌビディア、アップルなど大型ハイテク7銘柄を示すマグニフィセント7(M7)の時価総額は1日で7740億ドル(約115兆円)減少した。テスラの株価が15.4%急落しトランプ大統領当選以降の上昇分をすべて返上した。
ブルームバーグは自社データベースを分析し、10日基準でテスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)、アマゾンのジェフ・ベゾス創業者、グーグルのセルゲイ・ブリン共同創業者、メタのマーク・ザッカーバーグCEO、LVMHグループのベルナール・アルノー会長ら5人の財産総額が1月20日のトランプ大統領就任時と比べ2090億ドル減ったと伝えた。彼らは就任式に貴賓として参加した人物だ。
世界的暗号資産取引所であるバイナンスでビットコイン価格はこの日一時7万6600ドルまで下落し、昨年11月10日以来の安値水準を記録したりもした。韓国総合株価指数(KOSPI)が1.28%下落の2547.60で取引を終えるなどアジア主要証券市場も値下がり傾向を見せた。
先週末のトランプ大統領のフォックスニュースとのインタビューの影響だ。「今年の景気低迷を予想するか」という質問に彼は「われわれがやることは大きいので過渡期がある」と答えた。関税政策などが景気低迷を呼び起こしたとしても強行するという意図を示したとの見方が出てきた。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、JPモルガンは今年米国経済が景気沈滞に陥る確率を30%から40%に上方修正した。ゴールドマン・サックスも12カ月以内の景気低迷確率を15%から20%に上げ、今年の米国の成長見通しを2.4%から1.7%に大幅に引き下げた。米財務長官を務めたローレンス・サマーズ氏はSNSを通じ「2カ月前まで今年の景気低迷の可能性は小さいとみたが、いまは50対50に近付いている。完全に逆効果を出す経済政策のため」と指摘した。西江(ソガン)大学経済学科のイ・ヨンス教授は「関税政策の不確実性により投資が減り、価格が上がって消費余力は落ちるものとみられる」としながらも「米国の景気鈍化は避けられないが、景気が沈滞するという指標までは現れていない状況」と診断した。
トランプ大統領の関税政策調整の有無により資産市場の流れは変わる可能性がある。梨花(イファ)女子大学経済学科の石秉勲(ソク・ビョンフン)教授は「トランプ大統領が関税を相手国を脅迫するためのカードとして使い、実際に適用する税率はそれより低くするものとみられる。来年末に予定された中間選挙で勝利するのが目標であるだけに実際の景気低迷につながらないよう調整するだろう」と話した。