エヌビディア・ARMを一発で追い抜く?…中国「SW独立チップ設計自立」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.03.07 11:01
中国が半導体生態系の全方位的育成に乗り出した。米国が先端装備・チップの中国搬入を阻んだが、製造を巡る半導体設計・ソフトウェア・研究開発を育て、これを越えるという戦略だ。「中国製造2025」政策で製造基盤を固めた中国の「半導体崛起」がさらに精巧になる模様だ。
◇ARMなしで…リスクファイブ(RISC-V)チップの拡大
中国政府は近いうちに開放型(オープンソース)半導体設計構造「リスクファイブ(RISC-V)」を活用して作ったチップの使用を全国的に奨励する指針を発表する計画だ。5日、ロイター通信は、中国工業情報化部、科学技術部など8つの政府機関がこのような内容の共同政策草案を作成し、早ければ今月中に発表すると報じた。
政府が直接乗り出して特定半導体設計構造の活用を推奨するのは異例的だが、中国の「半導体設計自立意志」を傍証する。リスクファイブはコンピューター・スマートフォンの頭脳格のシステム半導体の下絵となる設計資産(IP)の一つだ。現在、チップIP市場は米インテルと英国ARMが独占している。大多数の半導体企業はライセンス費用を支払い、これらのIPを使ってチップを設計する。
一方、リスクファイブは無料で開放されたオープンソースだ。スマートフォン向けの低電力チップから高性能PC向けのCPU(中央処理装置)まで幅広く活用できる。中国がリスクファイブ基盤でチップを設計すれば、米国・英国企業に費用を支払う必要もなく、技術制裁からも自由になるわけだ。中国のIT企業アリババは先月28日、リスクファイブ基盤のサーバー級CPUのC930を発売し、技術力を誇示した。
◇NVIDIA CUDA超え…独自のソフトウェア構築も
エヌビディア(NVIDIA)への依存度を下げようとする動きも具体化している。5日、中国科学院(CAS)のコンピューター科学の碩学・李国傑氏は論評で「ディープシークは、エヌビディアCUDAの限界を越えることができなかった」とし、「中国はCUDAを凌駕するAI(人工知能)ソフトウェアを構築しなければならない」と強調した。CUDAは世界のAI開発者が最も多く使用するAI開発プラットフォームで、エヌビディアがAI生態系を支配する核心要素に挙げられる。
中国はすでにファーウェイがAI加速器「アセンド」シリーズを独自開発し、エヌビディアのGPU(グラフィック処理装置)への依存度を減らしている。ディープシークAIモデル訓練にもファーウェイ・アセンド910Cが活用されたことが分かった。中国はハードウェアだけでなく、AI開発プラットフォームでも「ソフトウェア独立」を確保するということだ。
◇半導体の自立に向け、次世代技術の先取りを狙う
次世代半導体技術の根幹となる研究水準も目立つ。ジョージタウン大学安保・新技術センター(CSET)が2018年から6年間、世界の半導体新技術関連論文を分析した結果、中国は量と質ですでに米国を凌駕したことが分かった。中国研究陣の論文数は計16万852件で、米国(7万1688件)の2倍を大きく上回っている。論文の質を示す被引用上位10%の論文の割合も中国(2万3520件)と米国(1万300件)の格差が大きかった。
CSETのジェイコブ・フェルドゴイズ研究員は「中国は人間の頭脳を模倣したニューロモルフィック・コンピューティングと光を使用した光コンピューターなどで先頭を走るが、このような次世代技術は既存の半導体製造技術に依存しておらず、米国が統制することが難しい」とし、「中国が米国が追いつけないほど技術的跳躍を成し遂げる可能性もある」と警告した。