ロスの山火事、サンフランシスコの面積以上を焼失…気象学者「14日が危険」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2025.01.13 16:36
米カリフォルニア州最大の都市であるロサンゼルスを襲った巨大な山火事が数日にわたり勢いが衰えず被害規模は雪だるま式に増えている。現地消防当局は火を消すため海水まで汲み上げて使っているが、災害水準の火災を抑えるには力不足という状況だ。
AP通信などによると、米国立気象局は15日まで火災状況に対する「赤色警報」を発令した。赤色警報は気象局が発出する警告のうち最も強力な警報だ。「サンタアナの風」のような破壊的で致命的な強風が予想される際に発効される。米西部内陸からカリフォルニア南部海岸と太平洋沿岸に向かって吹くサンタアナの風は風向きの予測が難しく、最大風速が160キロメートルに達し「悪魔の風」と呼ばれる局地性の突風だ。気象局はこの風が15日まで続くだろうと予測した。現地メディアによると、気象学者のリッチ・トムソン氏は「非常に強い突風が吹き空気がとても乾燥しており依然として非常に危険な火災の条件が続いている。14日が最も危険な日」と警告した。
実際にサンタアナの風のため7日から南部海岸のパシフィック・パリセイズをはじめ、イートン、ハースト、ケネス山の4カ所で山火事が起きた。12日までに焼失した面積だけでサンフランシスコの面積121.4平方キロメートルより広い160平方キロメートルに達する。火災により全焼した住宅も1万2000軒に達し、映画俳優メル・ギブソンと富豪のパリス・ヒルトン、元大リーガーの朴賛浩(パク・チャンホ)ら有名人の邸宅も被害を受けた。ロサンゼルス郡検視官室によると、人命被害もこの日基準で死亡者が24人まで増えた。経済的な被害は天文学的な水準になるものとみられる。民間企業アキュウェザーは9日、「今回の山火事による経済的被害は総額1350億ドル(約21兆円)から1500億ドルに達する」と試算した。
こうした状況で米消防当局は火を消すために収監者を大挙動員したり海水を汲み上げて運ぶなど、それこそ「最後の手段」まで動員している。現在ロサンゼルス郡消防当局は最も被害が深刻なパリセイズの火災消火のために太平洋の海水を汲み上げて使っている。海水を消防用水に使っても消火効果は淡水と特に違いはないという。ただ海岸までの距離が遠く、消防用航空機のボンバルディアCL415「スーパースクーパー」を動員しなければならないという困難がある。また、塩分により消防装備が腐食する恐れがあるほか、土壌汚染の懸念も出ている。だが消防用水が底をついており避けられない選択というのは現地消防当局の説明だ。
消防用水枯渇の原因としては私設消防業者が指摘される。ニューヨーク・タイムズによると、私設消防業者の利益団体である全国山火事防除協会によると、現在米国で働く消防署員の45%が民間消防署員で、彼らが契約した住宅火災などに消防用水を使ったため山火事を消すための水が不足しているという話だ。