北朝鮮、ミサイル撃っても異例の沈黙…専門家「追加挑発の可能性を見守らなければ」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2022.05.06 08:53
北朝鮮が4日に弾道ミサイルを発射してもすぐには報道せず、その意図に注目が集まっている。通常なら翌日に発射事実や諸元などを明らかにしていたが、5日現在、対内用メディアである労働新聞や対外用メディアである朝鮮中央通信など官営メディアでは一切言及がない。
複数の政府消息筋によると、4日に北朝鮮が発射したミサイルは途中で爆破しないで1段目がすべて燃焼した後、正常に東海(トンへ、日本名・日本海)に落ちたという。米国は弾道ミサイルの軌跡を追跡する特殊偵察機「RC-135S」コブラボールを東海に飛ばし、今回の発射過程を見守った。このため、北朝鮮が人工衛星の打ち上げを装って大陸間弾道ミサイル(ICBM)と同じ長距離ミサイルを試験発射したのではないかとの見方も出ている。
21世紀軍事研究所のリュ・ソンヨプ専門研究委員は「北朝鮮は3月20日にロケット砲を発射する訓練を行っても報道しなかったことがある」とし「ICBMの火星15型は2017年に初めて発射に成功した後、3月24日に火星17型を装って発射したのがすべてなので、ミサイルをもう少し撃って信頼性を高める必要があるだろう」と説明した。この場合、北朝鮮が直ちに追加試験発射をし、後でまとめて報道する可能性がある。後続の挑発が続くため、あえてミサイル発射の性格・意味・評価を入れて国内外に知らせる「完了型報道」をする必要がないとの分析だ。
北朝鮮は1月25日にも巡航ミサイル2発を撃った後、すぐには報じないで、同月27日に行われた地対地戦術誘導弾の試験発射の事実とともに28日にまとめて報じた。韓国政府も数日以内に関連報道が登場する可能性を念頭に置いている。北朝鮮当局が当初設定した目標に達しなかったため報じていない可能性も提起されている。3月16日、平壌(ピョンヤン)順安(スンアン)空港から火星17型を撃ったが、低い高度で爆発したため報じなかったことがある。
国家安保戦略研究院のキム・インテ責任研究委員は「北朝鮮は今月10日の尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の就任式、21日の韓米首脳会談を控えてミサイル発射など各種挑発を一種の『パッケージ』として継続する可能性がある」とし「近く後続挑発の可能性を念頭に置いて報道動向を見守らなければならない」と述べた。
統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室長は「まだ開発過程で中間段階にあるため、あえて対内外に衛星なのかICBMなのかを明確にして一種の評価を受ける必要はないと判断したとみられる」と述べた。梨花(イファ)女子大学北朝鮮学科のパク・ウォンゴン教授も「偵察衛星だと発表しようとしても高度は500キロメートル以上だが(最高高度780キロメートル)、最高速度がマッハ11に終わるなど内部的に成功だとは言いにくい側面があったかもしれない」と述べた。