イスラエルを「創業国家」にしたヨズマ会長、韓国ベンチャー買収して会長就任
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.11.09 14:37
イスラエルを「創業国家(Start-up Nation)」に導くのに寄与したヨズマファンドの会長が韓国ベンチャー企業を買収し、会長に就任した。
7日に訪韓したイガール・エルリヒ・ヨズマグループ会長はこの日、中央日報の単独インタビューで「私の名前を掲げて初めて韓国企業を買収・合併(M&A)し、ヨズマビーエムテックの会長になった」とし「ビーエムテックは医療機器の製造と同時に、韓国の優秀な技術基盤スタートアップを発掘するアクセラレイター(Accelerator)に変貌する」と述べた。
ヨズマファンドはイスラエルの代表的なグローバルベンチャーキャピタル。2014年に韓国に初めて進出し、スタートアップの投資家兼インキュベーターの役割をしてきた。4年間に韓国国内のスタートアップ8社に計370億ウォン(約37億円)を投資したが、最近、医療機器製造ベンチャー企業「ビーエムテックワールドワイド」(代表ハン・スンム)と100億ウォン台のM&A契約をして筆頭株主になった。
規模を見ると今回のM&Aは注目を集めるほどではない。数百億ウォン台のM&Aは少なくない。しかしイスラエルの初期ベンチャーに投資して23社をナスダックに上場させたアクセラレイターとしてのヨズマの成果を考慮すれと、この一歩には重みがある。韓国の医療機器製造会社が国内の技術基盤企業に投資して世界に進出させる「韓国型ヨズマ」に変貌することになったからだ。
ヨズマは何よりもビーエムテックの優秀な人的インフラを高く評価した。ビーエムテックはハン・スンム慶煕大生体医工学科教授が1998年に創業した医療機器製造会社で、GEが世界で唯一、製造者開発生産(ODM、Original Development Manufacturing)方式で自社製品を委託生産しているところだ。超音波骨密度診断装置、極低温皮膚治療装置などが主力商品だ。
エルリヒ会長は「慶煕大をはじめ、サムスン医療院、峨山(アサン)病院など韓国の主要大学病院教授が共に研究開発に参加し、何よりもCEOが優秀な研究者という点に着眼した」と説明した。
ビーエムテックはヨズマビーエムテックに社名を変更した。これまでの医療機器生産レベルを維持しながら、今後、国内の初期段階の技術企業に投資してグローバル市場に進出させる役割をする。
ヨズマファンドは2014年に韓国進出と投資計画を発表した後、しばらく投資実績が低調で「消極的」という批判を受けてきた。これに関しエルリヒ会長は「イスラエルが1人あたりベンチャー創業世界1位の国になるまでヨズマが20年間貢献をしたため、韓国メディアはじめ、スタートアップも我々に対して抱く期待が大きかったことは知っている」とし「しかし初期ベンチャー投資は成功率が20%にもならないため、韓国企業とネットワークを築く準備時間が必要だった」と述べた。ヨズマは投資をしないという市場の疑心に対する釈明だ。
ヨズマグループ韓国法人のイ・ウォンジェ社長は「韓国進出後の最も大きな成果は全国に7カ所の創業インキュベーター『ヨズマキャンパス』を設立し、優秀な技術力を保有する国内政府外郭研究機関や科学技術特性化大学とネットワークを形成したこと」とし「もうヨズマが手を伸ばして届かない企業はほとんどないだけに成果は来年から」と自信を表した。
実際、ヨズマは7月、未来SCIと提携して「ヨズマバイオサイエンスホールディングス」を設立した後、SCM生命科学に20億ウォン、トップテックに100億ウォンを投資するなど国内スタートアップへの投資を本格化している。
エルリヒ会長は「バイオメディカル分野のグローバル市場は毎年拡大している。グローバル技術トレンドがスタートアップの成敗を左右する核心要因であるだけに、世界5大研究所のワイツマン研究所の技術移転を通じて韓国企業の技術・グローバル力量を強化する」と述べた。