【コラム】韓国の没落を呼ぶ“鉄壁労組”(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.04.24 16:20
1990年代初め、アン・チファンの「鉄の労働者」が歌われると、市民は拳を握った。民主化の風浪の中で労組は国民の希望だった。2013年の今、その歌にうなずく市民はいない。彼らだけが歌う進軍歌に、市民も韓国経済も踏みにじられた。鉄の労働者が進軍したところは誰も触れることができない“鉄壁”だった。彼らの同志だった非正社員にもかんぬきをかけて闘争の歌を熱唱する正社員の労組は、二極化の責任を転嫁する正義の旗を掲げて韓国の没落を催促する。「鉄の労働者」はもう“鉄壁労組”になった。
起亜車光州工場の37歳のキムさんが焼身で抵抗し、現代車の29歳のコンさんが自殺で労働者の生涯を終えた。“鉄壁労組”のためだ。社内の下請け分会組織部長のキムさん、嘱託契約職のコンさんの念願はただ一つ、「正社員」だった。ところがキムさんは「正社員雇用世襲」に絶望し、コンさんは正社員転換対象名簿から外れて解雇され、挫折感に苦しんだ。鉄壁労組には解雇という単語がない。彼らの同志だった非正社員の焼身と自殺は彼らの関心事ではない。60歳退職、雇用相続、そして平均年俸1億ウォン(約900万円)突破だけが、彼らが団結する至上の目標だ。