日本がノーベル物理学賞と化学賞を相次いで受賞し、基礎科学大国であることを立証した。日本は1949年に初めて物理学賞を受賞して以来、物理学で7人の受賞者を輩出した。化学賞でも1981年に福井謙一氏の受賞以来、今回で5度目の受賞者を出している。
このような底力は日本人独特の職人精神と体系的な国の支援体制から生まれている。一度研究を開始したら、師匠の業績を弟子が継承して研究するという学界風土も強固な基礎科学の土台を築くうえで一役買っている。今回の物理学賞を受賞した素粒子は日本で初めて物理学賞を授与された湯川秀樹氏の研究業績を受け継いだ結果だ。湯川氏が研究を始めた当初は素手で研究を始めたも同然だった。20世紀に入り、科学技術が発達したヨーロッパでは物質の根源に関する研究が活発に行われていた。日本も先進国について行くためには、基礎科学からきちんと研究しなければならないという方針が打ち出され、多くの学者が研究に動員された。