<離散家族再会>認知症の母、北の息子に「私と家に行かないのか」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.10.27 15:53
「一緒に行かないのか」。認知症の南側のキム・ウォルスンさん(93)は26日午前、金剛山(クムガンサン)ホテルで自分を見送る北側の息子チュ・ジェウンさん(72)に尋ねた。前日の団体対面で息子に「誰なのか」と尋ねたキムさんはこの日午前9時30分から2時間行われた別れの対面では息子をはっきりと認識した。「私はもう死んでもかまわない。私のジェウンに会えたので…」と言いながら息子のほおにキスをした。前日まで「『母さん』と一度だけ呼んでみたい」と話していた北側の息子の目からは涙が流れた。
キムさんは左手の指にはめていた金の指輪を取り外し、「嫁に贈ろうと思っていた」と言って息子に渡した。息子は「大丈夫」と言ったが、キムさんは「私がそうしたいから、あとで捨てるにしても持って行ってほしい」と話して息子の手に指輪を握らせた。息子は「お元気で、母さん。統一すれば私が世話をします」と語った。対面時間が終わったという案内放送が流れると、キムさんは北側の息子に「私を連れて家に行かないのか」と尋ねた。しかし長男はバスに乗らなかった。キムさんはその時になって嗚咽した。