南米アンデス山脈の尾根、海抜2440メートルのところに築かれたインカ帝国の失われた都市マチュピチュは「空の庭園」「空中の都市」とも呼ばれる。 ペルー最大の観光地でもある文化史跡地のここには、一日2000人を超える観光客が訪れる。 このため約500年にもなる石の階段や花こう岩のテラスが人の歩行で毀損され、城壁も沈みそうになっている。
1983年に世界文化遺産に指定した国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、03年、マチュピチュを「危険な状態にある文化遺産」リストに含めた。 ペルー政府が遺跡地管理に関心を向けたことで、昨年7月には「危険リスト」から抜けた。 しかしマチュピチュを訪れる観光客はずっと増えている。 国際自然保護連合(IUCN)は今年6月、マチュピチュが観光・都市開発・土砂崩れ・山火事の脅威を受けているとし、「危険リスト」に再び含めるべきだと主張した。