20世紀の最も有名なスパイ、リヒャルト・ゾルゲは、ドイツメディアの駐日特派員として活動しながら日本とドイツの機密をソ連に流した。 スターリンはゾルゲの情報をもとに極東の軍事警戒を緩め、ヨーロッパ戦線に専念できた。 ゾルゲは諜報員としても優れていたが、周囲に常に女性が絶えない魅力的な男でもあった。 しかし彼の発言は、今日ではフェミニストの公憤を買うのに十分過ぎるほどのものだった。 「情報活動は知識が豊富で頭が良い男でなければ困る。 女は政治的な知識がないので使えない。 上流夫人と交際したが、彼女たちは夫が話す言葉の意味が理解できないので全く役に立たなかった」
ゾルゲの発言とは違い、情報戦の世界にも女性の名前がかなり登場する。 最も有名な人物は、第一次世界大戦中にドイツ軍の情報部隊の諜報員として活躍したオランダ女性マタ・ハリだろう。 パリでダンサー生活をしていた彼女は複数の連合軍高位将校と関係を持った。 ゾルゲがそうであったようにマタ・ハリが入手した情報が果たして価値のあるものだったかどうかは明らかでないが、情報ソースへの接近に関しては抜群だった。