最高検中央捜査部は１日、盧武鉉（ノ・ムヒョン）前大統領の実兄、建平（コンピョン、６６）容疑者に対し、世宗（セジョン）証券の売却を斡旋（あっせん）した見返りに約３億ウォン（約２０００万円）を受け取った疑い（特別経済加重処罰法上の斡旋収賄）で、２日に事前逮捕状を請求する方針を決めたと発表した。

検察はこの日、盧容疑者を召喚し、約１２時間にわたって取り調べた後、同午後１１時に帰宅させた。検察によると、盧容疑者は０６年２月、盧前大統領の高校の同窓生、チョン・ファサム容疑者（６１、逮捕）の兄弟が世宗（セジョン）キャピタル社長の洪起玉（ホン・キオク、５８、逮捕）容疑者から受け取った３０億ウォンの一部と、この金で運営された成人向けゲームセンター事業の収益金を授受した容疑が持たれている。

検察当局者は「盧容疑者は側近のイ某容疑者を通じ、チョン容疑者の兄弟から約３億ウォンを受け取ったものと把握された」とした後「このお金が３０億ウォンの一部なのか、娯楽室の収益金なのかについては、最終的に確認中だ」と説明した。イ容疑者は盧容疑者とともに「ジョンウォン土建」という建設会社を運営してきた人物で、昨年１１月にがんで死去（当時４７歳）した。

検察は盧容疑者に対し、３億ウォンを授受した容疑のほかに、チョン容疑者ら兄弟が３０億ウォンを受け取った疑いに関連しても「包括的共犯」の容疑を適用する方針だと明らかにした。検察高官は「世宗証券の金を受け取ったチョン容疑者兄弟の依頼で、農協の世宗証券買収に介入した事実だけでも、共犯として処罰するのが可能だ」としている。

検察は、盧容疑者の主張通り、盧容疑者が、単に鄭大根（チョン・テグン、６４、前農協会長、逮捕収監）容疑者に洪容疑者を紹介しただけではなく「鄭容疑者に世宗証券の買収を依頼した」という関係者の供述も確保したものとされる。

盧容疑者は調査が終わった後「国民に申し訳なく、弟にもすまない」とした上で「金を受け取ったことがなく、ゲームセンターの収益金分配についても分からない」と話した。

検察はチョン容疑者兄弟が受け取った金を管理、マネーロンダリングを行った元青瓦台（青瓦台、チョンワデ）行政官のイ・ヨンス容疑者（３３）を「犯罪収益隠匿の規制および処罰などに関する法律」を違反した疑いで逮捕状を請求し、追跡中だと明らかにした。