米民主党の大統領候補のオバマ上院議員が第44代米大統領に当選した。232年の米国の歴史上初めて黒人大統領が誕生したのだ。オバマ候補の当選はオバマ氏個人と所属政党である民主党の勝利を超え、米国民の勝利であり米民主主義の勝利だ。オバマ候補の当選を祝いながら、われわれは米国と世界のために変化が必要な時に、果敢に変化を選んだ米国民の勇気ある選択に敬意を表する。
黒人奴隷制という恥ずかしい原罪の上に建国された米国は、奴隷制をめぐり140年前には残酷な内戦まで起きている。人種的マイノリティの黒人に対する法と制度的な差別は撤廃されたが、見えない差別と偏見まで完全に消えたとはいいがたい。しかし今回の選挙で米国民が、ケニア出身の黒人を父に持ちアラブ系の姓である‘フセイン’をミドルネームに使うオバマ氏を大統領に選んだことで、最後に残った禁忌の壁まで打ち壊してしまった。出身よりも個人の能力が評価を受ける‘機会の地’が米国であり、‘アメリカンドリーム’は依然として生きている夢であることを立証したものだ。