人々に突然禁煙したいと思わせる方法がある。 たばこのパッケージにぞっとするような写真を入れるというものだ。 2000年にカナダが世界で初めて導入した政策だ。右の写真が代表的な例だ。 口腔がんでひどい状態になった歯ぐきの写真がたばこの味を落とす。 それだけではない。 がん細胞が生じた肺の組織、脳卒中が起こった脳の状態、大動脈がふさがった心臓の無惨な写真が続く。 そこにある警告文はほとんど断定的だ。 「喫煙は心臓を害します」「脳卒中を引き起こします」「口腔疾病を誘発します」。 灰がついたまま長く曲がった吸殻の写真に「勃起不能を引き起こすこともあります」という警告文が書かれているものもある。 カナダ政府はこのような写真16種類をたばこのパッケージの半分を占めるよう配置した。
効果は? 警告文だけを書いていた時期に比べて禁煙する人が急増した。 2000年に24%だった全体喫煙率は2006年には18%に落ちた。 特に、青少年の喫煙率は写真を導入してから3年間で3分の1以下に落ちたという。 同じ年、ブラジルがこれを真似た。 すると、31%だった喫煙率が3年で22.4%に減った。