隠遁スタイルから「尊敬する女史」まで…平壌のファーストレディ(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.04.18 17:08
金正恩氏が執権序盤から「夫人・李雪主」を公式化して顔を公開し、活発な公開活動を展開しているのはそれ以前には全く見られなかった姿だ。金正恩氏の生母・高容姫(コ・ヨンヒ)は28年間にわたって金正日(キム・ジョンイル)委員長と共にしながら二男一女をもうけた。だが、徹底して隠遁を強要され、公開活動に出ることはできなかった。2000年6月南北首脳会談の際、韓国の金大中(キム・デジュン)大統領と夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)氏が共に北朝鮮を訪問したが金委員長は一人で出席した。高容姫が2004年仏パリで乳腺がんの治療中に亡くなった時も非公開で遺体を平壌に運んで墓地を作るほどだった。対北情報当局の関係者は「2002年8月、朝鮮人民軍出版社が高容姫を『尊敬するお母様』と高めて呼んで宣伝する本が出てきたという諜報はあったが、追加の動向は確認できなかった」と伝えた。
金正恩執権直後、高容姫偶像化のための用心深い試みが見られた。労働新聞は2012年2月13日付で高容姫の名前を表わさないまま「平壌の母」と紹介した。また、高位幹部を対象に高容姫の生前の姿を収めた記録映像を放映した。中央日報が入手したこの映像にはサングラスに毛皮コートを羽織った高容姫が金正日と共に軍部隊などを訪問した様子が収められている。金正日の誕生日パーティーで「偉大な将軍様を生涯にわたり仕え、従うことを誓う」という忠誠の言葉を朗読する場面も登場して目を引いた。だが、これ以上の動きはなかった。高容姫が北朝鮮への帰還事業で渡ってきた北送在日韓国人出身という事実が明るみになるのを避けようとしたためだという分析とあわせて、間もなく生母偶像化が本格化するだろうという見通しもある。