＃２０１５年５月、米シカゴに住むマイケル・シェアさん（３４）は３Ｄプリンティング基盤の電気自動車メーカーに自動車の印刷を依頼した。車体は黒と赤の２トーンカラーで、運転座席は普通の電気自動車よりシートの幅を広くしてほしいと注文した。注文から５日後に「車ができた」という連絡を受けたシェアさんは、近所の電気自動車印刷所で車を受けた。重さは２００キロ（４５０ポンド）と、一般の小型自動車の５分の１にしかならない。シェアさんは体型に合わせて製作された座席や色などすべてが気に入った。

＃２０１５年１２月、氷点下１８度の寒い冬の夜。会社員キム・ミレさん（２６）はタクシーに乗って冷たくなっている自宅に向かう。到着１５分前、彼女のスマートフォンの個人秘書「グーグルナウ（Ｇｏｏｇｌｅ　Ｎｏｗ）」は静かに活動を開始した。移動経路からキムさんが帰宅中ということを認知したグーグルナウは、キムさんの家に設置された自動温度調節器「ネストサーモスタット」の温度を２４度に設定する。２４度はキムさんが室内で活動するうえで最も好む温度だ。しばらくしてキムさんはネストが温めておいた家に気持ちよく入った。

「３Ｄ（３次元）プリンティング」と「モノのインターネット」が日常化する近い未来を仮想した。実際、今年は一般消費者が体感できるほどこうした技術が広まる見込みだ。


２０１５年に花が咲くＩＴ技術（２）

２０１５年に花が咲くＩＴ技術（３）