北朝鮮に抑留の米国人、43日ぶりに追放形式で解放
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2013.12.08 11:40
北朝鮮に抑留されていた米国人のメリル・ニューマン氏が7日、抑留43日ぶりに追放の形で解放された。ニューマン氏はこの日午前、平壌(ピョンヤン)発の高麗(コリョ)航空便で北京に到着し、米大使館関係者らの保護の下で帰国の途についた。ニューマン氏は「家へ帰ることになりうれしい」と話した。朝鮮中央通信はこの日、「本人が謝罪し悔いている点と、年齢や健康状態を考慮し人道主義的見地から追放した」と発表した。続けて「祖国解放戦争時期に諜報将校として自身が直接養成し派遣した間諜テロ分子の生死を確認するため観光客を装ってわが国に入ってきた米国公民メリル・ニューマンを抑留し調査を進めた」と主張した。韓国戦争参戦勇士のニューマン氏は、10月26日に10日間の北朝鮮観光を終え平壌で北京行き航空機に乗る直前に逮捕され抑留された。
北朝鮮のニューマン氏追放は、抑留に実益はないという判断に従ったものと分析される。85歳の高齢のニューマン氏を長期間抑留し交渉カードとして使ってみても北朝鮮との対話を拒否してきた米国の態度が変わる可能性は薄いものと断定したということだ。北朝鮮はまた、別の韓国系米国人ケネス・ペ氏を1年以上抑留してきた状況で、ニューマン氏まで長期間抑留すれば国際社会の激しい非難に直面するとの懸念も作用したものと観測される。また、心臓疾患を抱えているニューマン氏が北朝鮮で死亡した場合には負担が大きくなりかねない点と、観光客として入国したニューマン氏を長期間抑留すれば北朝鮮の観光産業に打撃を与えるだろうという点も考慮されたと分析される。