【社説】北朝鮮、「55テスン号」早期送還が道理
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.08.10 10:47
韓国側のイカ釣り漁船「55テスン号」が拿捕された。東海(トンヘ、日本名・日本海)北側の北朝鮮排他的経済水域(EEZ)付近で操業しているところ北朝鮮警備艇に拿捕され、咸鏡北道(ハムギョンブクド)の城津(ソンジン)港に曳航されたという。漁船には韓国人4人と中国人3人の計7人が乗っていた。天安(チョンアン)艦事件後初めて韓国の漁船が北朝鮮に拿捕され、大きな関心が向けられている。テスン号がどんな状況で、どんな理由で拿捕されたのかは分からないが、今回の事件が南北(韓国・北朝鮮)間の新たな緊張要素として作用しないか懸念される。
テスン号は拿捕される前日、最後の位置報告で北朝鮮経済水域に入っていないと明らかにした。しかしその後、夜中の操業過程で誤って北朝鮮側水域に入ったかどうかは確認されていない。たとえ北側水域に入ったとしても、これは単純な航路錯誤である可能性が高い。この場合、北朝鮮当局は簡単な調査だけで速やかに送還するべきであり、またそうするものと信じる。心配している家族のことを考えても、人道的な措置を取るのが道理だ。もちろん韓国政府は操業区域を破ったことに対してずさんな監督責任があるだろう。2000年代に入って韓国漁船が北朝鮮に拿捕されたのは昨年の「800ヨンアン号」を含めて計5件にのぼる。30日間抑留されて戻った「800ヨンアン号」以前の4件については、北朝鮮当局は当日または数日以内に送還した。今回もこうした前例が適用されることを期待する。