１１日に男性服のセール真っ最中のソウル・明洞（ミョンドン）の新世界（シンセゲ）百貨店６階イベントホール。

濃紺の夏服を選んだキム・ソンホさんのクレジットカードを受け取った店員は、「すぐに決済してきます」と言って席を外した。２分もしないで戻ってきた店員はキムさんにカードと伝票を手渡した。このようにデパートで買い物をするとしばしば店員が「決済してくる」と席を外すのを経験する。

これはデパート特有の売上構造に起因する。デパートは基本的に賃貸業者だ。デパートに入っている業者が払う賃貸料が主な収入源だ。代わりにデパートは一般商店街とは違い、賃貸料を定額ではなく入店業者の売上から一定部分を受け取っている。

売上高の一部を賃貸料として払う売り場を業界では「特定売り場」と呼ぶ。デパートの入店売り場のうち９０％程度がここに含まれる。売上高が大きく認知度が高いブランドが入店すればデパートの売り上げも増える。入店業者が売上を逃さないようにすることもデパートの利益に重大な影響を及ぼす。店員らがどこかで決済をしてくるのはデパートの販売時点管理（ＰＯＳ）システム用端末機に入力してくる手続きのためだ。こうすればデパートとしてはどのような商品がどれだけ売れたかをリアルタイムで集計でき、売上の漏れを防ぐことができる。最近では売り場ごとに個人用携帯端末（ＰＤＡ）とＰＯＳシステム用の端末機が普及しており、店員らが計算のため席を外すことも減った。しかしセール会場などでは依然としてみられる風景だ。




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