アモーレパシフィックの徐慶培社長は最近、海外での手痛い記憶を打ち明けた。海外事業を視察するため台湾と香港を訪れ１５日に韓国人記者らと香港のホテルで会ったときのことだった。徐社長は、「東洋的プレミアムブランド」というグローバル経営戦略を強調しながらも、海外進出失敗の経験談を述懐するのに少なくない時間を割いた。

２代目として１９８７年から経営授業を受けてきた徐社長は９３年にアモーレパシフィックの前身となる太平洋の企画調整室社長を務め、失敗したフランス事業の後処理をしていた。９１年に「純情」というブランドでフランス全域のドラッグストアで販売したが売れず、５０億ウォン余りを浪費した。「ドラッグストアを訪ね歩きうっすらとほこりの積もった化粧品を回収しながら、消費者がどれだけ怖い存在なのか実感しました。その時に市場調査を通じたマーケティング戦略が勝敗を左右するということも骨の髄に刻まれる契機となりました」。

その後は国別に主力ブランドを変え、精密な市場調査を通じて現地人が好む製品を出した。悪夢のようなフランスでは９７年に「ロリータレンピッカ」という香水を、２００３年には米国で、２００６年に日本で竹の樹液と緑茶、紅参など天然原料を使った製品を「アモーレパシフィック」のブランドで発売した。２００５年からは香港、成都、北京、上海、瀋陽の中国５都市に肌専門家を含む調査団を派遣し２年間で１０００人に対し気候と食生活、肌の状態を調査した。


アモーレパシフィック、日本のデパートでも大ヒット（２）