【コラム】改憲より経済、それよりも政治改革=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.05.11 11:00
逆行する国内外の事情が尋常でない。光復(解放)70年が近づくが、韓国はいまだに列強の狭間で大国の圧力を感じている。民主化を成し遂げて6人の大統領を私たちの手で選んだが、政治の混乱は国民を不安の泥沼へと追い込んでいる。そんな中で大多数の国民の日常生活があまりにも荷が重く多くの若者が働き口を探せない状況で、改憲議論は後回しにしてまず経済再生に全力投球しようという朴槿恵(パク・クネ)大統領の決定は、時期適切だった。しかし経済をこの有り様にまで達するようにしたことと、そこからどのように脱却するのかは結局政治的判断と選択の問題であることを見逃してはいけない。ゆえに改憲より経済、それよりも政治改革に優先順位を置こうとするのが朴大統領の立場だと理解する。
韓国が処した深刻な民主主義の危機はかなり以前から予想されたことだともいえる。近代化理論が活発に展開した1960年代前後、民主化過程を処方した政治発展論の氾濫の中でも国家の安定的運営を担保にする政治秩序の制度化の重要性を強調したサミュエル・ハンティントンの警告があった。70年代、ポルトガル・スペイン・ギリシャなどの南欧諸国は権威主義の時代を成功裏に終わらせて民主化に成功した。しかし一世代が過ぎた今のギリシャ事態が見せる政治の退化と経済破綻は、大衆の民主的参加の拡大を安定的国家運営につなげる制度化がどれほど難しいことなのかを見せている。一瞬の興奮のように過ぎ去ったアラブの春もそうした政治退化のエピソードとして記憶されるだけだ。