【社説】原則を守れなかった韓国社会(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.06.25 14:05
文昌克と安大熙(アン・デヒ)はケースが違う。安候補の前官礼遇・高額弁護士報酬は歴史観のような意識ではなく、蓄財のような道徳性に関する問題だった。このような道徳的な欠陥が首相資格に深刻な障害となるという点に社会的に特に異論はなかった。これは候補自身も結局認めた。文候補は違う。歴史観に対する批判のような場合は、法が定めた処理方式に任せなければならない。それが聴聞会と国会の表決だ。こういうものは手続き的な民主主義を構成する重要な要素だ。内容に劣らず手続きも重要であるため、これが守られなければ社会が揺れる。今後こういう問題をどう処理していくのか。批判を恐れ、人々が所信を展開したり公職を引き受けることを恐れれば、国家は正常に動かない。
手続きを踏む民主主義を守る1次責任は大統領と国会にある。ところが朴槿恵(パク・クネ)大統領はかなりの時間をかけながらボールを他の人に渡した。これは「論難の攻勢」の前に指導者の勇気を献納したのだ。朴大統領は原則よりも現実的な負担を重視した。これはこれまで自身が主張した「原則と信頼」に背く。原則の動力を失えば、国政を今後どのように主導するのだろうか。セヌリ党は揺れ動き、無気力に原則を放棄する方に合流した。新政治連合は自分たちの政権当時、批判の声が多かった張裳(チャン・サン)、張大煥(チャン・デファン)候補の聴聞会を開いた。文候補に対しては魔女狩りのような攻勢で原則を壊した。