泥だからけの地面に立った数十人の黒い肌の子供たち。手にはセネガルの国旗と一緒に太極旗、そしてセマウル旗が握られている。慶尚北道（キョンサンブクド）知事の金寬容（キム・グァンヨン）氏をはじめとする韓国訪問団が村に入ると子供たちは旗を振りながらはっきりとした韓国語で叫んだ。「セマウル！セマウル！セマウル！」

今月２０日（現地時間）、アフリカ・セネガルのサン＝ルイ・タルバフレ村の住民たちはこのようにして韓国セマウル訪問団を迎えた。タルバフレ村は慶尚北道が世界９カ国で行っている「セマウル世界化事業」２７カ所のモデル村の一つだ。昨年ボランティア団員を送ってセマウル活動を深めていたところ、エボラ事態が発生して撤収した。事態が落ち着いた今年７月、チーム長のパク・ウイチョルさん（６０）とハム・ジンヒさん（３２）、キム・ソルヒさん（２７）が再派遣された。

タルバフレ村は最初は援助物資を期待したという。だが、韓国セマウルボランティア団員はそのようなものを与えなかった。代わりにゴミだらけだった村を清掃して葉を栄養剤のように使うワサビノキを植えた。「自分たちで努力する」というセマウル精神、「自助」を根付かせることが目的だった。キム・ソルヒさんは「最初はただ見物ていた住民たちが今では私たちのまねて進んで村をきれいにして木を植えている」と伝えた。村長のシェイクロさんは「『自分から行動する村』という話が隣村にも広がった」と話した。

次の目標は食糧の増産だ。セネガルは韓国のようにコメが主食だ。ボランティア団はひとまず稲の示範栽培を始めた。また、米収穫を増やす方法を伝えるために今回の訪問団に慶北道農業技術院のパク・ソドク院長などが同行して土壌を確認した。パク院長は「種もみを直接撒く代わりに韓国のように田植えをし、また営農機械を使えばコメの生産量を３０％以上増やすことができるだろう」と話した。慶北道はまた「営農先導者」になる住民を韓国に招いて進んだ農業技術を教えることにした。農機械会社のアセアテックはこの日、村に営農機械４台を寄贈した。

金寬容知事は村への訪問前日、セネガルのマッキー・サル大統領を表敬訪問した。この席でサル大統領はセマウル運動精神とそのノウハウの伝達に対して感謝のしるしとして金寬容知事にセネガル最高勲章を授けた。慶尚北道は大統領の表敬訪問直後、「セマウル運動をモデルに、セネガルの青年４０００人を農業・教育・ボランティア人材として育成していくことに協力する」という了解覚書（ＭＯＵ）をセネガル政府と締結した。セネガルはまた、モデル村の近くに韓国営農技術をテスト適用する２００万平方メートル規模の営農団地を造成することにした。

一方、ホテルインターブルゴ大邱（テグ）ではインドネシア・ホンジュラス・エチオピアなど世界５０カ国のセマウル運動関連部署長・次官や指導者約５００人が集まる中、「第２回地球村セマウル指導者大会」が開かれている。２４～２６日に開かれるこの行事は、各国で韓国を手本にして進めているセマウル運動の優秀事例を発表してノウハウを共有する場だ。

各国代表は２５日の会議でセマウル運動のグローバル拡散のための「大邱宣言」を採択した。６項目からなる宣言には、セマウル指導者と政府の役割が盛り込まれている。勤勉・自助・協同のセマウル精神の実践と村共同体事業に献身し、各国政府はセマウル運動に基づく地域開発計画を樹立し、韓国は国別にセマウル運動計画を支援して指導者を育成していくなどの内容だ。