朴柱昊（パク・チュホ、２７、マインツ）の劇的なブラジル行きが、韓国代表にどのような効果をもたらすだろうか。

サッカー韓国代表は２９日、けがの回復が遅れている金珍洙（キム・ジンス、２２、新潟アルビレックス）の代わりに、朴柱昊（パク・チュホ）を最終エントリーに含めることにした。

韓国代表の主治医ソン・ジュンソプ氏（ソウルジェイエス病院代表院長）はこの日の記者会見で、「金珍洙は６日の所属チームの試合で右足首をけがした。特にくるぶしの下、足の外側部位の靭帯はシュートをする時に足首を支える役割をする。最近まで治療に最善を尽くしたが、この部位がワールドカップ（Ｗ杯）本大会までに回復するのは難しいと判断した」と述べた。

ソン氏は、蜂窩織炎から完全に回復せず最終メンバーから除かれた朴柱昊（パク・チュホ）について、「回復の経過がよかった。サッカーシューズをはいてボールを扱うほどにまで回復した」と説明した。

朴柱昊は紆余曲折の末、ブラジルの舞台を踏むことになった。朴柱昊は先月初め、ドイツで右足小指の炎症除去手術を受けた。朴主永（パク・ジュヨン、２９、ワトフォード）と同じく、皮膚の急性細菌感染症の一種、蜂窩織炎だった。朴柱昊は早期回復のために先月２８日に早期帰国し、翌日、再手術を受けた。当初は大きなけがではないと伝えられたが、代表チームの医務陣は朴柱昊が６月初めから正常な練習が可能だという判断を下した。

朴柱昊は最終メンバーから脱落した。この数年間、Ｗ杯を目指してきた朴柱昊には大きなショックだった。朴柱昊は独ブンデスリーガー、マインツで左ＤＦとして活躍している。サイドＤＦが欧州ビッグリーグで主力選手となったのは李栄杓（イ・ヨンピョ、３７、引退）以来、朴柱昊（パク・チュホ）が初めてだ。朴柱昊は独メディアのビルトとキッカーから３度もベスト１１に選ばれている。

最終メンバー発表で朴柱昊がもれると、海外メディアは驚きを表した。一部のファンは朴柱昊の代わりに尹錫栄（ユン・ソクヨン、２４、クイーンズ・パーク・レンジャーズ）が含まれると、洪明甫（ホン・ミョンボ）監督は付き合いが長い選手ばかり選んだという批判の声も出てきた。

朴柱昊には耐えがたいことの連続だった。しかし挫折しなかった。朴柱昊の側近は「朴柱昊は厳しい状況で、むしろ自分のためにつらい思いをする周囲の人を慰めるスタイル」と語った。

朴柱昊は直ちに代表チームの池田誠剛フィジカルコーチと一緒にリハビリセンターで汗を流し始めた。１２日に代表チームが招集され、池田コーチが離れた後にも、リハビリのプログラムを怠らなかった。汗は正直だった。回復は早かった。

朴柱昊はこの１週間、母校の崇実大で後輩と一緒に練習した。紅白戦、高校との練習試合など実戦練習も２回消化した。紅白戦では３５分間、練習試合では４５分間プレーした。崇実大のイ・ギョンス監督は朴柱昊に関し「体力が少し落ちているだけで、けがの問題はないようだ。ボールも安定的にキープし、スピードもあった」とし「チームにあんなＤＦ選手が一人いればどれほどよいだろうと思った」と言って笑った。朴柱昊は２９日、イ監督に「コンディションが上がってきている。体の状態がよい」と話した。

朴柱昊の合流で韓国代表の４バックラインにも重量感が出てくる見込みだ。現韓国代表のＤＦのうちＷ杯を経験している選手は一人もいない。もちろん朴柱昊もＷ杯は初めてだ。しかしブンデスリーガで世界的な選手と対戦している経験は無視できない資産だ。また、朴柱昊は昨季、所属チームで守備型ＭＦとしても自分の役割を果たした。状況によっては朴柱昊のマルチ能力も期待される。