【社説】「1億ウォンのスキンケア」 事実ではなかった…
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.01.31 16:50
昨年10月26日のソウル市長補欠選挙当時、終盤の最大イシューは「羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)候補が1億ウォン(約700万円)のスキンケアに通った」という疑惑だった。 選挙数日前に出てきたこの疑惑は、ソーシャルネットワークサービス(SNS)で急速に広がり、有権者の公憤を買った。 しかし結果的にこの疑惑は事実でないことが明らかになった。 羅卿ウォン候補の告発で事件を捜査したソウル市警によると、羅候補が該当病院で使った費用は娘と自分の治療費を含めて550万ウォンと確認された。 しかし警察側はこれを報道した時事INの記者を「虚偽事実流布」容疑で処罰するのは難しいとみている。 記者が該当皮膚科を取材した当時、「1本か」という質問に院長が認めるようなニュアンスで答え、事実と信じるほどの状況があったという理由だ。
この事件はその内容よりも、選挙運動で「SNSの破壊力」を見せた代表的な先例として関心を集める。 投票を目前にした時点に有権者の感情と憤怒を刺激する「違っていればそれまで」という具合の暴露で、選挙に莫大な影響を及ぼすことを表したのだ。 SNS情報は、突然現れて光速で広がり、あっという間に消えるという独特の情報循環構造を特徴とする。 刺激的で扇動的な内容がより速く広まる傾向がある。 特に今年の選挙では憲法裁判所の決定に基づき、選挙前日までがインターネットとSNSを通した選挙運動が可能になった。 一方的な暴露と疑惑提起が次々と出てくるのは明らかだ。