透明性を批判的に眺めるこうした主張は、政治家の不正を隠す副作用を生まないだろうか。ハン教授は「本当に政治に関心がある有権者は直接政治に飛び込む。透明性に対する要求は絶対権力が崩壊した現代社会の政治構造と不信感が広がる社会がかみ合って生じた現象」と述べた。ハン教授は「まだ韓国社会では透明性の要求が少ないが、これから増えていくだろう」と予想した。

ハン教授はデジタル連結網のフェイスブック・ツイッターなどＳＮＳを現代的パノプティコン（ｐａｎｏｐｔｉｃｏｎ、すべて監視を受ける円形監獄）と分析した。実際、ハン教授はスマートフォンを持っていない。ハン教授は「以前は他人から情報を得るために拷問をしたが、今はその必要がない。自発的に自分の情報を投じているからだ。スマートフォンは結局、拷問機構のような機能をする。非常に効率的な統制社会になった」と述べた。

独メディアはハン教授を「心配箱（Ｋｕｍｍｅｒｋａｓｔｅｎ）、「常に気分がよくない哲学者」と呼ぶ。代案が具体的でないという批判もある。

ハン教授は「まず私たちが生きている社会がどんなところか批判的に見せることが重要だ。具体的な代案を提示する代わりに、私たちの社会がどの方向に進むべきかを暗示する」と話した。

現代人の美的感覚に関する著書を構想中というハン教授は「人々は滑らかな形のｉＰｈｏｎｅを愛する。最近、ドイツ人は肌を滑らかにしようと体毛をみんな剃ってしまう。滑らかだということがなぜ魅惑的なのかを書こうと思う」と述べた。


韓国人教授「フェイスブック・ツイッターは現代版パノプティ劃ン」（１）