旧韓国タバコ人参公社（現ＫＴ＆Ｇ）が各種研究を通じて、「たばこががんを誘発する」という事実を１９６０年代に確認したが、これを隠ぺいしてきた、という主張が提起された。

喫煙被害者と主張する人々が国を相手取って起こした損害賠償請求訴訟を５年間担当している?今子（ぺ・クムジャ）弁護士と禁煙運動協議会は、１６日の記者会見でこのように明らかにした。しかしＫＴ＆Ｇ側は「誇張された主張だ」として対抗しており、裁判所の最終判断が注目される。

９９年１２月、キム氏（５７）ら肺がん患者６人（３人は死亡）とその家族３１人は国と公社側を相手取り、３億ウォン（約３０００万円）の損害賠償請求訴訟を起こした。 ?弁護士らは「ＫＴ＆Ｇ側が裁判所に提出した５８～９９年発刊のたばこ関連研究文書４６４件を調べた結果、『たばこに肺がん誘発物質がある』と記録された文書が確認された」と明らかにした。 国家とＫＴ＆Ｇ側が販売量が減ることを憂慮してこれを知らせなかった、というのが彼らの主張だ。

ＫＴ＆Ｇが公開した文書を２カ月間分析した延世（ヨンセ）大環境公害研究所の申東千（シン・ドンチョン）所長は、「複数の報告書に、ニコチンの有害性と中毒性を指摘する内容があった」とし、「喫煙が胎児に及ぼす悪影響と、間接喫煙の被害などに関する研究結果が記録された資料も発見された」と明らかにした。

しかしＫＴ＆Ｇ側の朴教善（パク・キョソン）弁護士は、「報告書の大部分は外国医学誌に公開された内容を検討したものであり、ＫＴ＆Ｇが医学界が知らない内容を独自に発見したという資料はない」と反論した。