【コラム】韓中FTA“迅速”に“狭く”しよう(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.07.11 14:54
FTAには2種類の方式がある。1つは米国式で一度に最大限包括的で高い水準の開放を妥結する方式であり、もう1つは中国方式で、ひとまずデリケートな分野を除いて妥結した後に、後続交渉で開放の幅を徐々に広めていく方式だ。長期的な不確実性を考慮する時、韓中間にも後者の方式、つまり両国がデリケートだと考える分野はみな除いて最小限に互いに大丈夫だという部分だけを含む狭い範囲のFTAが実用的な代案だ。すなわち米国式の“高い水準”ではなくアジア式の“狭い範囲”が安全な選択だ。中国本土・台湾間の協定がこのような方式の代表的な事例だ。双方はデリケートなサービス分野は後回しにして製造業分野だけを先に開放するいわゆる“early harvest”方式でFTAを締結した。それで初期には意味が少ないと批判を受けていたが、何年が過ぎて、すでにサービス部門を含む形に拡大している。
このような形だけで締結しても、先進製造業国の中で初めて中国とFTAを締結するという市場先行獲得効果は発生する。FTAを1回限りで終わるイベントではなく、初期成果を根拠に追加的な開放と包括範囲を次第に拡大するためのプラットホームとして見るということだ。部門別の選択基準は長期的でなければならない。現在、競争力が高い部門の立場から見るよりは、今後競争力の変化が予想される分野の立場で交渉を展開しなければならない。台湾の場合、韓国とは条件が違うが経済的効果のほかに色々な方面にわたって本土の急速な影響力の拡大に対する憂慮が増大している。