日本の女優、安蘭けい（４１）。韓国人にはあまり知られていないが、彼女は日本の特級スターだ。女性だけが出演する「宝塚歌劇団」の主役俳優だった。カリスマあふれる男役で日本の中年女性を魅了した。２年前に歌劇団を引退した。さらに注目を引くのが出身。在日韓国人３世だ。貴族芸術を志向し、保守性が強い宝塚歌劇団で、在日韓国人が主役になるのは前例を探すのが難しい。安蘭けいが１１月にソウル駅三洞（ヨクサムドン）ＬＧアートセンターの舞台で公演される日本の演劇「アントニーとクレオパトラ」に出演する。公演の準備のためしばらく韓国を訪れた彼女に会った。

－－６年前にも訪韓している。

「２００５年１１月に慶煕（キョンヒ）大学‘平和の殿堂’で宝塚歌劇団が初めて来韓公演をした。先祖の故国で公演するというのが不思議な感じで感激だった。改めて感じるが、韓国は日本と近くても全く違う。刺激的で強烈でエネルギーがあふれる。パワーがある」

－－「アントニーとクレオパトラ」はどんな演劇か。

「歌のない正劇の舞台に立つのは初めてとなる。演出家の蜷川幸雄氏（７６）は日本を代表する巨匠で、以前から尊敬していたし、必ず一度は蜷川氏の作品に出演したいと思っていた。話があった時は是非やりたいといった。ところがクレオパトラとは…負担が大きい。歌舞伎や能など日本伝統劇を借用しながらも普遍性を持つ蜷川氏の演出力がシェークスピアの悲劇と妙に融合する」


日本の女性が歓呼する元宝塚女優・安蘭けいが韓国へ（２）