【BOOK】成功を収めた在日同胞企業家の激動の現代史小説『アンダンテ・アンダンテ』
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.06.20 16:57
アンダンテ(andante)---。「遅く」を表す音楽記号だ。20世紀後半、韓国史を速度記号で表現するとどうなるだろうか。「アンダンテ」ではないことは明らかだ。むしろ「ビバーチェ(vivace、速く)」に近い。
小説『アンダンテ、アンダンテ』(ナナム)は、このような点で二律背反的だ。世界中で類を見ないほど激動の歳月を送った韓国人、それも祖国を離れて日本で住まなければならなかった在日同胞の事業家を主人公にした作品にこういう‘矛盾した’タイトルが付けられている。アイロニーであり、パラドクスだ。もしかしたら、われわれ韓国人がこれまで失って生きてきたことへの懐かしさかもしれない。