サムスンが渇望する「サムスン生態系」(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.30 15:57
しかし現在、サムスンを含む国内SWパワーはまだ未完成だ。人材不足の問題からして深刻だ。情報通信政策研究院によると、SW開発専門家の未補充率は29.9%にのぼる。大学から輩出されるSW人材の数は、企業が必要とする規模の70%程度にすぎないということだ。1990年代に100人を超えていたソウル大コンピューター工学部の定員は今は50人に減っている。SWはきつい業種という認識が広がり、優秀人材はもちろん、関連分野を専攻する人はますます減っている。こうした状況でサムスンの人材補充は「中小企業人材をすべて奪う」という非難を受けたりもした。このため今年5月には今後5年間に1675億ウォンを投入し、SW人材5万人を養成するという計画を発表した。サムスンがSWを強化し“脱グーグル”を図っているが、グーグルとの関係を直ちに断絶するのは難しい。緩い関係はしばらく維持される見込みだ。実際、グーグルのエリック・シュミット会長(58)は30日、サムスン電子瑞草社屋を訪問し、申宗均(シン・ジョンギュン)社長と会う予定だ。サムスンはアンドロイドOSを活用したモバイル機器分野の優等生だ。この日、双方は単なる協力維持を越え、新たなソフトウェア戦略に関する議論をすると予想される。
SW産業育成の重要性はサムスンのような個別企業レベルの問題ではない。昨年、世界市場でSWが占める規模は1兆3158億ドルと、携帯電話(2446億ドル)や半導体(3161億ドル)はもちろん、自動車(8030億ドル)も超えている。国家経済発展のため国家レベルで対応する必要があるということだ。政府も創造経済を強調し、SW産業の育成に積極的に動き出した。崔文基(チェ・ムンギ)未来創造科学部長官は最近、SE人材22万大軍養成計画を出した。長期間の投資と支援が必要なSW人材養成を個別企業に任せず、政府の主導で優秀人材を輩出するという内容だ。