エラスリスはその後、ロンドン・ニューヨーク・北京・ソウルなど世界を回りながらブラインドテストを実施し、ワインを広報した。２００９年には世界的なワイン評論家ロバート・パーカーがエラスリスのヴィニエド・チャドウィック２００６年産に９７点（１００点満点）を与えて話題になった。シャトー・ラフィット・ロートシルトと同じ点数だ。

サンペドロの「１８６５」ワインは韓国市場で「１８ホールを６５打で」というゴルフに関連したストーリーを広めて注目を集めた。

徐々にチリ産ワインは世界のワインとして認識されている。２０１１年に英国のウィリアム王子とケイト・ミドルトンの結婚式前夜祭のワインに「ラポストール・カサ・ソーヴィニヨン・ブラン」（２０１０）が登場した。同年、オバマ米大統領のチリ国賓訪問記念晩餐酒には「モンテス・パープル・エンジェル（２００７）」が出てきた。

ロックバンドのローリング・ストーンズは年初に「グランデス・ヴィノス・サン・ペドロ・アルテア（２００５）」を世界最高ワインだと絶賛した。

果たしてチリが沈滞した経済をワインで回復させることができるか、確信はできない。ただ、ワインがチリの大使（ａｍｂａｓｓａｄｏｒ）になっているのは確かだ。ホルヘ・ハイネ駐北京チリ大使は「チリ経済の核は依然として銅だ。輸出の５５％、政府歳入の１５％を占める。しかしワインは今後、チリの国家ブランドになることができる」と述べた。


習近平の反腐敗闘争にチリ産ワインが笑う理由（１）

習近平の反腐敗闘争にチリ産ワインが笑う理由（２）