【コラム】アウシュビッツの影=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.09.30 14:52
そこに地獄があった。人類史上最も邪悪なホロコーストの現場、ポーランドのアウシュビッツ収容所は、生々しい地獄の記憶で満たされていた。その地獄に入る正門の前に来ると、「労働が自由にする(Arbeit macht frei)」という言葉が表れた。「真理があなたたちを自由にするだろう」というイエスの言葉になぞらえたナチスの嘘だ。
収容所に連れられてきたユダヤ人のうち、労働力が不足した女性と子ども・高齢者・障害者はほとんどの1週間以内に虐殺された。ナチスはユダヤ人の手に石けんまで握らせながら、風呂場に行くと偽り、地下ガス室に連れて行った。ガス室には犠牲者が息づまる苦痛の中、爪で壁面をかきまくって泣き叫んだ跡が鮮明に残っている。ガス室の上の青い草原も、そのぞっとするような記憶まで覆うことはできなかった。