【コラム】大統領への苦言(下)=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.08.27 14:25
国民幸福。朴槿恵(パク・クネ)大統領は実にうまく言葉を作った。幸福を与え、夢を与えることに抗議する人はいない。公約をすべて合わせれば幸せな絵が出てくるが、荷物を一人で担う私たちの現実。全員が疲れ、幸せは遥かに遠い。幸福社会? 5000万人の幸せではなく、下層1000万人に集中してこそ実践可能だ。賃金労働者のうち月収200万ウォン(約17万円)以下が50%、100万ウォン以下も14%にのぼるのが私たちの現実だ。
国民の幸せのために政府がするべきことは差別の除去と福祉だ。これが現政権の課題である「社会民主化」の要件だ。「差別の除去」は少数・脆弱集団に機会均等を増進することで、高卒、女性、地方大出身の採用比率を高め、賃金と昇進にも差別をなくす積極的な措置だ。韓国はまだ浅はかな格差社会だ。福祉は公約の時から設計を間違った。無償保育、老齢年金、4大重症疾患、半額大学授業料はすべて、最下位1000万人から開始し、少しずつ拡大する案を選択するべきだった。福祉は所得の格差を減らす最善の案であり、社会の連帯力を高める最高の潤滑油だ。しかし条件がある。福祉受恵者が社会に献身するという倫理的な誓約だ。これなしには納税者の同意を受けることができない。政治的な説得が抜けたため、先日の増税失敗は当然の帰結だった。